
高齢化が大きな社会問題となっているが、企業においても社員の高齢化が進んでいる。ある年齢に達すると、早期退職制や役職定年制などによって中心的役割から外されるケースは多いが、一方で、若手社員を中心とした編成ではイノベーションが生まれにくいことが課題となっている。今後はミドル・シニア社員を有効に活用することが求められそうだが、そのために企業は何をすればいいのか。長年にわたりミドル・シニアについて研究してきた、明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究所教授・野田稔氏が語った。
ミドル・シニアがイノベーションに欠かせない理由
年齢を基準に人材を扱うことは、多くの国では差別にあたり、違法行為となる。多くの企業が定年制度を設けている日本は、世界でもマイナーな存在といえるだろう。世界一の長寿国である日本は今、そういった旧来の制度の見直しも含めて、大きく変わらざるを得ない状況にある。
また、従来のビジネスモデルの賞味期限が切れかけているため、イノベーションが期待されるが、イノベーション自体が目的化してしまっていると野田氏はいう。
「イノベーションは、目的ではなく手段です。今までの手法ではどうにもならないから、なんらかの社会的価値を産み出したい、困りごとをなんとかしたいと考え、いろいろなものを組み合わせてみる。そのうちに面白いものができて、それがソリューションになり事業になった、というのがイノベーションです。
日本企業は、イノベーションを手段と捉えて新しい価値を生み出し、既存のビジネスモデルを大きく変えなくてはなりません。そのために必要なのがイノベーター。そういうと若い人、テクノロジーに詳しい人をイメージしがちですが、イノベーションとは必ずしも科学技術の革新を必要としません。イノベーションの定義は新結合。新しい価値が生まれれば、古いもの同士の組み合わせでも、立派なイノベーションになるのです」
イノベーションを起こすのに一番重要なのは問題に気がつくことだ、と野田氏は語る。「なんとかしなくてはいけない」「変えたほうがいい」という思いからひらめきが生まれ、そこにいろいろな知恵が加わってイノベーションは起きる。そのため、イノベーターは問題発見者といえるだろう。
しかし今の若い人は、問題解決力に優れていてレスポンスが速く、情報収集も正確だが、問題発見力が弱い傾向が見られる。例えば、問題に直面すると「世の中はこんなものだ」と受け止めてしまう。一方、ミドル・シニアには、高い問題意識を持つ人が多く、イノベーターに適しているが、ソリューションには弱い。そこで野田氏は、若い人とミドル・シニアがタッグを組むことを提案する。
「イノベーションを起こすことは一人では難しく、必ず誰かのサポートが必要です。チェンジエージェントという、上手に導いて支えてくれる存在が求められますが、これはまさに、ミドル・シニアの得意とするところ。イノベーターとチェンジエージェントが機能し、イノベーションが起きるようなシステムへと組織を見直すべきだと思います。このとき重要なのは、ミドル・シニアにはイノベーションは起こせない、手伝えない、無理だ、という固定概念を捨てることです」
イノベーションを起こす際に必要になる、さまざまな人材を野田氏は挙げた。まずは、0から1をつくる「起業人材」。そういう人に触発されながら、1のアイデアを10へと事業化する「やんちゃ人材」。10になった事業を100へと大きくする「体育会系人材」。そして、既存の事業を支えて縁の下でイノベーションをサポートする「おっさん人材」。このような人材ポートフォリオの中で、その人の適性に合わせて年齢に関係なく最適な配置をしていかなければ、イノベーティブな組織は成り立たないという。
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