“三角折り”ストレス投稿に反響「病原菌の拡散と資源の無駄を引き起こしている可能性を…」
3年前の2017年にも同様の投稿が話題になったことがあった。とある病院がトイレに『トイレットペーパーを三角折にしないでください』という貼り紙をしていたのだ。これを利用者が撮影し、「三角折りしたら清楚だと思ってる女子達に言い聞かせたい。」と投稿したところ、“三角折り”反対派が多数コメント。「清掃員の人たちが綺麗な手でやるならまだしも用を足した人はアウト」「三角折する時間があればさっさと個室から出てきて欲しい。」「これをやる人は、病原菌の拡散の可能性と、資源の無駄を引き起こしている可能性アリと考えてほしい。」など、ビフォーコロナでも菌・ウイルス感染拡大のリスクに言及する人が多かったことが分かる。7年前には、病院の共同トイレの利用によりノロウイルス胃腸炎の感染が拡大し、約20人が院内感染するという事例もあった。
以前から問題となっていた“三角折り”は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてさらに危険視されており、多くの医療施設やサービス施設も、公式HP及びトイレでの張り紙で“三角折り”をやめている旨を掲示している。これは、断りもなしに三角折りをしていないと、トイレの見栄えが悪く感じられる可能性が考慮されているとも考えられる。それほど日本では、ホテル以外でも“三角折り”が一般化してしまっている表れだ。
“三角折り”の起源は消防士はデマ? 清掃完了サインとして広まり、カルチャー化も
消防士発祥ではなく、日本のホテル発祥もしくは銀座の有名クラブ発祥という説もある。 前の客が使ってからきちんと清掃されている合図であり、清掃された清潔なトイレで用を足せる安心感を与えるものとして、“三角折り”がマニュアル化されているホテルは多い。しかし、これは日本に限った話ではない。“三角折り”の英語訳は、“fire hold”ではなく“Hotel toilet paper folding”だ。欧米では、日本のように一般家庭や公衆トイレなどで行われる行為ではなく、基本的にホテルのトイレのみで行われている慣習なのだろう。
次の人のことを考えると、我々は逆に“何もしない”が正解?
そうしたストレスに対し、日本のメーカーが“日本らしい”発明品を出している。先述の“三角折り”を問題視するツイートに対し、「誰か切れ端が最初から三角になってるペーパー作って」とのコメントもあったが、株式会社ソーデナガノ(長野県)が実際に作ってしまったのだ。
『おりふじ』という自動三角折り機能付きトイレットペーパーホルダーで、シングル、ダブル、トリプル、芯あり、なしすべてのトイレットペーパーに対応。このホルダーにセットするだけで、トイレットペーパーがカットされるたびに自動的に先端が三角折りになった状態で出てくる仕組みで、人の手が触れないことから、見栄えが良い上に衛生的だ。
しかし個人宅まで『おりふじ』のような製品を導入するのはハードルが高い。すべての公衆トイレに設置することも難しいだろう。となると、次の人が使う部分にべったりと手で触れてしまうことによる感染リスクを考えれば、見栄えは気にせず“三角折り”は回避した方が賢明ではないだろうか。
(文=衣輪晋一)
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