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Wednesday, June 24, 2020

社説 安全保障会議 専守防衛を捨てるのか - 信濃毎日新聞

 政府の国家安全保障会議(NSC)が、きのう始まった。

 地上イージスの配備を停止した安倍晋三政権は今夏、集中的に議論し、安保政策の新たな方向性を示すとしている。

 相手のミサイル基地を先にたたく「敵基地攻撃能力」の保有が焦点になる。この方針が固まれば安保政策の大転換となり、専守防衛の原則を逸脱しかねない。

 NSCは、安倍政権が2013年12月に創設した。首相を議長に官房長官、外相、防衛相が集う外交・防衛の司令塔で、国防に関する審議には総務相、国家公安委員長、財務相らが加わる。

 政府は、地上イージスの配備停止を「防衛の空白」とみる。けれど、念頭に置く中国や北朝鮮、ロシアはミサイル技術を飛躍的に高めており、地上イージスでは迎撃できないと指摘されてきた。自民党内には以前から、敵基地攻撃能力を求める声がある。

 攻撃能力には、相手基地まで正確に誘導できる巡航ミサイル、レーダーが捉えにくいステルス戦闘機などが挙げられる。

 利用するには相手の動きを探る情報収集体制の強化、防空能力をそぐ破壊装置が不可欠という。防衛費がさらに膨らむ恐れが強い。周辺国は、日本が専守防衛を捨てたと受け止めるだろう。

 攻撃を米軍に委ねてきた役割分担も覆る。国家安全保障戦略や防衛大綱、日米防衛協力指針の改変は避けられまい。これだけの方針転換を、短期間の閉ざされた会議で決しようというのか。

 地上イージス停止に乗じて、安倍首相が持論の封印を解いたとしか思えない。改憲がままならないからといって、現状変更を重ねるのは許されない。

 トランプ大統領は海外駐留米軍の縮小に動いている。米軍も新型ミサイルをにらんで防衛構想を見直しており、海兵隊の削減目標も公表している。

 日本がひたすら追従して自衛隊の活動領域を広げ、機嫌を取るために米製兵器を大量購入するのでは対等な関係は望めない。

 防衛費の分担金で、取り沙汰される8500億円もの米側の要求額をのむことはできない。不平等な地位協定も改める必要がある。米国との距離を測り直し、外交を基礎とした独自の安保構想を描くことこそ求められる。

 沖縄慰霊の日に、首相は「平和で希望に満ちあふれる世の中を実現する」と訴えた。それは攻撃力を手に相手を脅すことなのか。平和のありようが問われている。

(6月25日)

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