
家族の死後、その方に対して支払われる予定だった何らかの給付金を受け取ると相続放棄ができなくなることがあります。そこで、入院給付金と死亡保険金、受け取ると相続放棄ができなくなってしまうのはどちらなのでしょうか。確認していきます。
まずは相続放棄について知る
相続が起こると基本的には亡くなった方の財産、権利、義務の全てを引き継ぐことになるのです。しかし、中にはプラスの財産よりマイナスの財産の方が大きく、相続をしたくないと思うこともあります。 そういったときに利用できる制度として相続放棄があります。相続放棄をすると最初から相続人でなかったかのように扱われるため、亡くなった方のプラスの財産はもちろん、借金などマイナスの財産も引き継がなくてもよくなります。 このように強力な効果を持つ相続放棄には1つ大きな注意点があります。それは、相続の対象となる財産を処分してしまうと、それは通常どおりの相続(単純承認)の意思ありとみなされ、相続放棄ができなくなってしまうということです。 処分とは、相続財産であるお金を使ったり、何かを要求する権利を行使したりするような、いわば相続財産を自分のものとして使うような行為のことをいいます。そのため、相続放棄を考えている場合、入院給付金や死亡保険金の取り扱いについて十分考える必要があります。
入院給付金も死亡保険金、どちらも相続放棄に影響する可能性あり
では、相続放棄について軽く学んだところで、冒頭の問い「入院給付金と死亡保険金、受け取ると相続放棄ができなくなるのはどっち?」という問いに答えていきましょう。結論としては、「どちらも受け取ることで相続放棄をできなくなる可能性がある」となります。具体的にどのような場面で相続放棄をできなくなる可能性があるのか確認していきます。 ■受取人名義に注目する 先ほど確認したように、相続放棄は相続対象となる財産を処分したときに選択することができなくなってしまいます。 つまり、入院給付金と死亡保険金が相続放棄に影響するか否かの判断はこの「相続財産であるかそうでないのか」という判断が特に重要になります。相続財産であるかの判断基準の1つとして、受取人が誰かという点があります。 受取人が亡くなった方となっていると、入院給付金であろうと死亡保険金であろうと、それは亡くなった方の固有の財産であり相続財産と考えられます。逆に受取人が亡くなった方以外であればそれは相続財産ではなく、受け取った方固有の財産として扱われるため、受け取ったとしても相続放棄には影響しません。 自身が受取人に設定されている入院給付金や死亡保険金を受け取りつつ相続放棄をするということも可能なのです。保険の契約で設定された受取人がたまたま相続人となる方に設定されていただけの話であり、相続の問題と保険の契約とは別問題だからと思えば、理解がしやすいでしょう。
入院給付金と死亡保険金、どちらも受け取ると相続放棄ができなくなる可能性あり
受取人が亡くなった方に設定されている入院給付金と死亡保険金は亡くなった方固有の財産であり、相続財産として考えられるのが一般的です。それを受け取って使ってしまうと、単純承認したとみなされ相続放棄をすることができなくなる可能性があります。 入院給付金だから、死亡保険金だから受け取って大丈夫、あるいは受け取ってはいけないという判断は早計です。 執筆者:柘植輝 行政書士
ファイナンシャルフィールド編集部
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